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世の中の「こうであるべき論」に流されないキャリアの築き方とは

株式会社博報堂の博報堂ブランドデザイン代表・宮澤正憲さんは、東京大学の特任教授を務め、キャリア教育の観点からも学生を支援している。2016年度のキャリア大学アワード【※】も受賞した宮澤さんに、ブランディングという仕事について、そして今の学生は自分のキャリアをどう考えるべきなのかについて、お話を伺った。

※キャリア大学アワード:全国から応募のあった学生のうち、抽選で選ばれた約2,000名の大学1〜2年生を対象に、協賛企業がキャリア教育の授業を実施。学生の満足度調査で、特に「教育力が高い」という結果になった企業を表彰するもの。

学生時代は46個のアルバイトを転々とした

――宮澤さんはどんな学生でしたか?

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私は新しいものに目がなくて、飽きっぽい性格なんですよ。だから、学生時代も4年間でアルバイトを46個も転々としました(笑)。なかなか、自分ほど飽きっぽい性格の人もいないのではないかと思います。

一方で、この性格は「いろいろなタイプのブランドを創っていく」という今の自分の仕事と、とても合っているように感じています。

――宮澤さんのお仕事である「ブランディング」とは、具体的にどんなことをするのでしょうか?

ブランドビジネスがカバーする領域は、時代とともにどんどん広くなり、広告だけでなく、商品開発・店舗デザイン・UX/UIデザイン・企業ビジョン策定・新事業開発から、組織開発や人材教育、研修まで、幅広い仕事をしています。

具体的な内容も、解析のような数学的な仕事から、いわゆる絵を描くようなデザインの仕事まで多彩です。AI・IoT、UXといった最先端のデジタル業務に取り組む一方、とてもアナログな仕事をすることもありますし、国内の業務だけでなく海外の業務も頻繁にあります。

――では、キャリアの中で停滞を感じるようなこともなかった?

最初に仕事が楽しくなってきたのが、新卒で入社して2~3年が経った頃でした。自分のやっている仕事が理解できて、自分のやりたいことができる。そうやってさまざまな業界に触れられたのは刺激的でした。

でも、6~7年すると、自分としては「ひと通りのことは経験したな」という気になり、このまま同じ仕事を続けようか、それとも次のキャリアをどうしようか、と悩むようになりました。そんな時にアメリカのノーススタン大学への留学の機会をもらい、当時最先端のブランディングビジネスを学ぶことができました。その後はブランドデザインを専門にする部署を立ち上げて、今に至ります。

ブランドで世の中をしあわせに

――博報堂ブランドデザインとは、どんな部署ですか?

マーケターだけでなく、戦略コンサルタントや、美大卒のデザイナー、コピーライター、一級建築士や、デジタルエキスパート、人事・組織開発のプロフェッショナル、法務の専門家など、多様なバックグラウンドの人が同じチームで、クライアントのブランドを高めるために働いています。現在、業務はさらに拡大していて、企業がイノベーションを起こせるようなコンサルティングや、地方活性化といったソーシャル課題にも幅広く取り組んでいます。

ブランディングとはある固有名詞をどれだけ魅力的にするかという活動ですが、この視点で考えてみると、企業や商品のブランディングだけでなく、例えば、街づくりや人もブラディングの対象となります。街のブランディングなら「その街にしかない固有の魅力とは何か」を見つけ出し、それを具体化する作業になりますし、人のブランディングなら「その人ならではの経験・能力・価値」を人生においてどのように実践して深化させるかを提案します。

キャリアもブランディングできる

――人もブランディングできるのですね。

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これからの世の中では、1人ひとりのブランドがより大切になるでしょう。その意味で、キャリアというのは個人のブランド活動とも言えます。

――では、キャリアもブランディングできるということですか?

はい。そのためには、「どんな会社に入りたいのか」ではなくて「どんな人間になりたいのか」を考える。人々から愛されるブランドには、信念や、ビジョンや、想い、コンセプトといった、何らかの明確な軸があります。ちなみに、愛されるブランドと嫌われるブランドのランキングは同じ順位になることがよくあるんですよ。

――それはなぜですか?

つまり、魅力的なブランドにしようとすれば、どうしても一部からは嫌われてしまうということです。ちょっと不思議に感じるかもしれませんが、嫌われないようにしようとすればするほど、嫌われはしないけど好かれることもないんです。すなわち、他の人からはどうでもいい無関心な対象になっていく。多少嫌われてもいいから、「ここだけは譲れない」というこだわりを持って生きてみる。そうすれば、逆に色んな人に好かれていく可能性も高まっていくでしょう。

――一部の人に嫌われるぐらいの姿勢でいる方が、自分を好きになってくれる人も増えるということですね。

そうですね。就活中の学生と話していて気になるのは、固有性を高める方向よりはどちらかというと画一性の方向、つまり個性はないけど、無難でマイナスになりにくい自己ブランドで自分をアピールするケースがとても多いことです。

「友だちはこんな会社に入ったからうらやましい」とか「自分の方がいい会社に入れた」とか、そんな声を聞くことがありますが、これは“個性を高める”というブランディングの考えかたとは真逆のものです。1人ひとりにしっかりと「自分はこういう人間で、こういう人生を送りたい」という想いがあれば、他の人のことをうらやましいと思ったり、優劣をつけたりする必要がありませんから。

「あなたらしさ」はあなたにしかわからない

――最後に学生へのアドバイスをお願いします。

キャリアに関しては、結局のところ、自分が納得して、いいと思えばそれでいい。ただし、そのためには、他人の視線や社会の評判に流されないような、自分ならではの判断基準を持っていないといけません。そうでないと、他の人がいいといった企業がよく見えたり、世の中の無責任な“こうあるべき”というキャリア像につい流されたりしてしまいかねないからです。もし、まだその基準が見つかっていなければ、それを探すタイミングが就活でもいいと、わたしは思います。

就活もキャリアも自分次第であり、「あなたらしさ」はあなたにしかわからない。だから、優先するべきはまずは自分が何が好きで、何が嫌いか、どんなことをいいと思うのかの判断軸を作ること。そんな風に考えてみてもいいんじゃないでしょうか。

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